幻の味、モクズガニ料理の会に参加

スタイリストとして活躍する一方で、ヨガを教えてもいる友人の澤木祐子さんと企画した「ヨーガリトリートin大多喜」。私たち含め、総勢8名の参加でした。

その初日、みんなが大多喜に到着してすぐに、廃校活用されている老川小学校で行われたモクズガニを使った郷土料理を学ぶ会に直行しました。 

教えてくださったのは、夷隅川漁協の副組合長で県調理師会夷隅支部長でもある高梨喜一郎さん。

夷隅川に棲むモクズガニ(モズクガニではありません。藻屑ガニと字を当てるようです)は、産卵のため汽水域にまで川を下るそうですが、上流の大多喜町で獲れるものが美味しいのだそう。

川のカニを料理すると聞いた時には、サワガニくらいの大きさを予想していたのですが、その大きさにまずは驚きました。

解体したモクズガニをでばで叩き潰す手本を見せる高梨さん
解体したモクズガニをでばで叩き潰す手本を見せる高梨さん

カニごし汁という珍しい食べ方を教えていただきました

生きたモクズガニのハサミをもぎ取り、解体して作ったのは、カニごし汁とカニ飯。


カニ飯はさばいたカニを入れて醤油味で炊くというわかりやすい料理でしたが、カニごし汁にはちょっとびっくり。

カニを出刃包丁で殻ごと叩き潰し、さらにはすり鉢とすりこぎでさらに叩き潰し、すり潰します。

 

そこに味噌と水を時入れて網でこしてから火にかけます。この日は細かく切った小松菜を加えて、それも最初から。


「沸騰したら決してかき混ぜないこと」と言われたのは、「花が咲くようなふんわりした見た目と食感のため」なのだそうです。

たださばいて煮出した味噌汁とは全く違う風味と食感。
手をかけただけのことはある味です。

かき混ぜてしまうとこのふわ〜っと膨らんだようにならないのだとか
かき混ぜてしまうとこのふわ〜っと膨らんだようにならないのだとか

モクズガニは意外に柔軟、機敏でした、、痛い!

さて、到着していきなりの生ガニ捌き。

お尻の方から捕まえて、これなら挟まれることはないだろうと思っていたら、モクズガニ、意外に柔軟性があり(笑)、左手の薬指を血が出るほどにしっかり挟まれてしまいました。オスのハサミは大きくて強かった、、、(下の写真参照。動物のような毛がいっぱい生えているんです)。

カニの逃げ足の早さに「キャ〜〜〜〜」と声が上がったり、カニを叩き潰す時に汁が飛び散りエプロンだけでなく服にまでシミを作ったり、、。

皆、それぞれに格闘の末w、無事カニごし汁とカニ飯を作ることができました。
(おそらく期間限定と思いますが、動画が朝日新聞デジタルにアップされています)

この特大ハサミで挟まれちゃったんです!痛かった〜(笑)
この特大ハサミで挟まれちゃったんです!痛かった〜(笑)
逃げ足はやいカニに絶叫!の後、無事にハサミとりに成功
逃げ足はやいカニに絶叫!の後、無事にハサミとりに成功
まずは叩き潰す
まずは叩き潰す
ひたすらすり潰します
ひたすらすり潰します
ひたすら潰していきます
ひたすら潰していきます

モクズガニは捕れなくなってきているといいます

モクズガニも減ってきており、また捕る人も、料理する人も少なくなってきているといいます。
こんなに美味しい郷土料理、ぜひ次代に繋げていってほしいと思います。

出来上がったカニご飯を嬉しそうにかき混ぜる私(笑)
出来上がったカニご飯を嬉しそうにかき混ぜる私(笑)
カニごし汁とカニ飯
カニごし汁とカニ飯