フランス南部の素朴なお菓子ミアスを久しぶりに焼く

このお菓子を初めて焼いたのは、10年前。息子が小学校5年の時。


息子が通う小学校の「国際理解授業」で1日先生をつとめました。海外に住んだことがある母親が、順番にその国での暮らしについて話をするというもの。


フランスの中部、オーベルニュ地方のクレルモンフェランに、1年に満たない短期とはいえ、5歳と0歳の子らとともに住んでいたことから白羽の矢がたったのでした。

フランス南部の素朴な伝統菓子ミアス。ういろうのような食感が特徴。
フランス南部の素朴な伝統菓子ミアス。ういろうのような食感が特徴。

子どもたちにも大人気だった私流ミアス

何かその国の食べものがあると子どもたちも喜ぶかもしれないと、担任の先生と相談してお菓子を焼いて持参することに決めました。

 

とはいえ、フランスでは、むしろ学校に薄皮饅頭やどら焼きを焼いて差し入れしていたくらいで(娘が通っていた現地の学校では、母親たちの持ち寄りによる食事会がよく催されていたのです)、洋菓子はとにかく店で買う、レストランで食べるに徹していた私。

 

さて、何を作ろうかと思った時に、洋菓子の原点と呼んでもいいようなミアスというお菓子の存在を思い出しました。フランス南部の家庭で作られるという素朴なお菓子です。

本来はともうろこしの粉と小麦粉をブレンドして作るようですが、作りやすく、子どもたちも食べやすいように小麦粉のみとし、自分なりに何度も試作して、絶対失敗しない簡単レシピに仕上げました。

結果、子どもたちに大人気。レシピをお母様たちにお配りしました。

友だち呼ぶからミアス焼いて!と息子のリクエスト

ここ5年ほど焼いていなかったのですが、帰省中の息子が大学のお友だちを連れてくるに当たって「ミアス焼いてくれない?」とリクエスト。「もちろん!」と答えたものの、その時のレシピが見当たらず直前まで焦っていたら、古〜い外付けハードディスクに保存されていました!
それがこちら。

シンプルな材料でシンプルに作る素朴なお菓子ミアスのレシピ

材料

A{牛乳300cc、無塩バター 20g、塩ひとつまみ}

B{卵4個、グラニュー糖 150g、薄力粉 100g、オレンジエッセンス少々}

 

作り方

  1. Aを火にかけて沸騰直前で火をとめる(バターをとかすため)。
  2. Bをフードプロセッサーでガーッと混ぜる。
  3. あら熱がとれた1と2を混ぜたら、無塩バター(分量外)をぬった耐熱皿に流し込み、180度に予熱したオーブンで35分焼く。

作る時の注意点いくつか

とてつもなく簡単なのがおわかりいただけると思います。
オーブンで焼いている時に相当に膨らむので、大きめの型に入れて焼いてくださいね。

冷めると萎むのですが。

食感はういろうのような不思議なお菓子。
ぜひ試してみてください。
焼きたてもいいですが、冷やして食べるとまた食感が際立っていい感じです。
オレンジエッセンスをバニラエッセンスなどに変えても大丈夫!
レモンの皮などを入れるのもオススメです。

息子の懐かしそうな嬉しそうな笑顔に、私も嬉しい夜でした!