「100年後の水を守る」ために

ここ数日、「食べることが未来の社会を変えていく」と題してブログを書いています。

今日は水について、少し。

世界で「人間らしい暮らしをするために1日に最低限必要な水の量」は


50リットル

とされています。

 

50リットルの水で「普通に」生活しようとしてみると、日本の子どもたちからは「できるわけないじゃん!」という声が上がるそうです。

昨日のブログで、(どうせ捨てられてしまうなら)作らなくてもよかった作物のために 90億人分の水が使われてしまったと書きました。その計算は一人1日200リットルが前提の数字になっています。

 

さて、日本人の生活用水の平均使用量は、どのくらいだと思いますか?

この本「100年後の水を守る」の著者、橋本淳司氏によれば

約300リットル

「人間らしいくらし」の6倍。

そしてFAOが試算のベースとして使っている量の1.5倍にもなります。

 

橋本氏は水問題を専門とするジャーナリスト。

ジャーナリストとしての活動の傍ら、水問題は人間の行動から生じているという認識のもと、「行動に変化をもたらすのは教育」として、国内のみならず、水不足がより深刻な中国でも子どもたちに水の授業を行っています。
この本は、字も大きくふりがなも振られており、わかりやすい文章で子どもにも読めるようにまとめられています。

水問題は、さまざまな問題と繋がっている

トイレを利用できない人が世界に26億人

 

もいるために、その排泄物が水源を汚してしまいます。学校にトイレがないために通学しなくなってしまう女子も実は少なくないのだそうです。

 

国をまたいで川が流れている場合、上流の国が流れをせき止めてしまえば、下流の国には水が流れなくなります。水を近くで入手できなくなれば、毎日水を汲みに行く必要が生じ、

 

水汲みのために学校に行くことができない子ども

 

が増えることにも繋がります。

 

地下水として汲み上げられる水量が地下に染み込んでいく水量を上回れば、

 

いつか地下水は枯渇

 

してしまいます。

実は橋本氏の本は2014年10月に一冊読んで、ブログに感想を残しています。

 

その本「日本の地下水が危ない」では、企業などが、持続可能性を考えずに地下水を汲み上げて使っても、そうした行為を規制する法律が日本にはないことを指摘しています。

 

その後、

 

2014年に水循環基本法が成立

 

し、地下水を含めた水を守ることの重要性が広く認識されるようになってきました。(それでも、東京財団研究員の吉原祥子氏は、この法律には、地下水の利用について土地所有者の責務についての規定が盛り込まれず踏み込みが足りないと指摘しています。)

100年後にも水を残すために、私たちができること

橋本氏は、水を守るため、特に地下水を枯渇させないためにできることとして、以下の方法を紹介しています。

 

  1. 雨水を溜めること
    私たち一人一人ができること。今は無くなってしまった実家には雨樋で集めた雨水を使った池に金魚が泳いでいましたっけ)

  2. 子どもにもできる「皮剥き間伐」による森の健全化(そんな林業体験に参加してみるのも良いのでは?参考ページはこちら

  3. 涵養(熊本の例をあげて説明。こちらが参考になるかと)

  4. 緩速濾過」エネルギーやお金もあまりかからない生物浄化法(この辺りが参考になるかも、です)

 

もちろん、歯磨きやシャワー、食器洗いの間にもこまめに水道の蛇口を閉じることなど、私たちが日々の暮らしの中でできる節水は心がけていきたいと思います。水道の水をじゃ〜ッと出しっぱなしにすると

2分間で20リットル

 

の水が流れていってしまうそうです。水を流す時にはこの数字を覚えておこうと思います。


(参考:地下水保全の事例についての環境省のレポートはこちらから)