寿命100年の時代への心得 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」を読んで

友人からの勧めで「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著)読了。しばらくあれこれ本を読みまくっていたので感想をまとめるのが遅れてしまった。実際に読み終わったのは2週間ほど前。

寿命が100年にのびようとする今の時代にあって、「教育、労働、引退」という3ステージの生き方は過去のものになるとし、そんな時代にあって、私たちはどんなことを考えて暮らしていけばいいのかを提示する。

100年時代には、ほとんどの人は、思っていたより20年以上多く働かなくてはならない。長寿になることを恩恵とするには、生涯を通じて変身し続ける覚悟を持たなければならないとする。

無形資産の形成を意識する

お金、不動産などの有形資産だけではなく、無形資産の形成を意識する必要がある。寿命100年の時代にあっては、一生同じ会社で働き続ける人の方が少なくなるはずだからだ。そんな時代にあっては、自分ならできる!と思える自己効力感と、やるのは自分!と思える自己主体感が重要とする。

無形資産を著者は3つに分類し、そこで大切になることを記している。
1 生産性資産

スキル、知識、人脈、人間関係。特に重要なのは、信頼で結ばれた小規模で協力な仕事仲間のネットワーク。そして、仕事のみではない幅広い領域での自分ブランドと評判。
2 活力資産
健康、友人、パートナー、家族など。自己再生のためのコミュニティ。脳の機能低下を防ぐためにからだを動かすことも大切。

3 変身資産
自分について知ること。多様性に富んだ人的ネットワーク、新しい経験に対する開かれた姿勢。変化しながらもアイデンティティを保つこと。

80歳90歳になった自分が今の自分を見てどう思うのか?

変化し続けていく覚悟。言うはやすく、、、だ。
歳を重ねるほどに「自分にとっての常識」に縛られやすくなるし、現状維持は一番ラクな選択であることが多い。そんな風に思う読者に著者は言う。
80歳、90歳になって振り返って今の自分を見た時にどうアドバイスするかを考えてみよう、と。そんな視点は大切だと思う。

でも、恋までも計算づくになるのはイヤかなw

この本のほとんどに「確かにね」と頷くところは多かったのだが、私が感覚的に生きている人間だからか、結婚相手を選ぶについてもロジカルに合理的に選択するべきというようなニュアンスで書いているのには、ちょっと抵抗を感じてしまった。
「恋に落ちちゃったんだから仕方ない」みたいな態度もまた、変化に柔軟に対応することが必要とする著者の姿勢に沿う気もしなくはないのだがw。