中身濃くわかりやすい「水危機 ほんとうの話」

沖大幹 「水危機 ほんとうの話」読了。


「世界の四大文明はいずれも大河のほとりで勃興した、とされる。〜(中略)〜奇妙なことに気づいた。『四大文明』はいずれも現在の乾燥地帯に勃興した、という点である。」

しょっぱなのコレで一気にひきこまれた。

水文学(すいもんがく)という言葉は、はじめてきいた。

水と地球環境、水と人間社会の関係を非常にわかりやすく、
とても広範に書かれていることには、ひたすら感服。

章末ごとに書かれた「まとめ」を読んでから本文を読むとさらにわかりやすい。

さまざまなデータをあげる際に、
そのデータを多面的に分析した上で慎重に結論を出しているのも、
学者にとっては当たり前なのかもしれないけれど、
そこをきちんと説明してくれる緻密さが読者としては心地よい。

著者本人が「新書3冊分の内容を凝縮」と書いているのは謙遜?
なくらい内容が濃い。

とりあえず一読したけれど
すべてが一気に頭に入るというわけにはいかず、
しっかり再読して整理して頭に入れておきたい本。
強力におすすめ!