「大麻ヒステリー 思考停止になる日本人」読了。

「大麻ヒステリー 思考停止になる日本人」読了。

日本人と大麻との関係は2000年前から続く、「文化」である。

衣服としての麻だったり、 七味唐辛子に入っている麻の実だったり、畳の表地の縦糸や、神社の注連縄、鈴縄、蚊帳など、さまざまに利用してきた。

 

「大麻取締法」は、戦後、GHQによって日本にもたらされた。

大麻は2000年にわたって日本の文化に欠かせない植物だった。害がない大麻もあるのに、、、

大麻と一口にいっても、すべての大麻が身体や心に毒なわけではない。

 

実際、WHOをはじめさまざまな調査において大麻には害がないとする結果がでてきたのに法の是非の論議はされることなく、かつ違反者が必要以上に厳しく弾劾されるのはいかがなものか。

 

ンナビノール(THC)」の含有量が多い大麻のみを取り締まればよいのであって、「大麻」と名前がつくものすべてにおいて悪魔のように避けるのは思考停止なのでは?

 

というのが著者の主張である。

最近の研究では精神への影響がみられる大麻が増えているというが、、、

ただ、ネットで調べてみると、慶応義塾大学保健管理センターのサイトでは、1970年代には大麻のTHC含有量は平均1%未満だったが、2002年には、品種改良や栽培条件の改良によって平均6%(2~6%程度は含有量が高いとされる)になっているので、精神への影響がないとはいえないとある。

 

著者によればTHCが含まれていても、その作用を打ち消す成分カンナビジオール(CBD)が同等に含まれていれば害はないとのことなのだが、慶応大学が指摘する平均6%のTHCが含まれるとされる大麻にCBDがどれだけ含まれているかの記載は慶応のサイトにないため不明。

大麻についてきちんと知ること、その上で大麻取締法の是非についてオープンな議論をするべきなのでは?

いずれにしても、今は技術が進み成分を詳しく調べることができるのであれば、「大麻」といっしょくたにして悪者扱いにするのはやはりおかしいのではないかと思う。

少なくとも大麻取締法についての議論がもっとオープンにされてもいいのではないだろうか。